2021/02/08 11:33
先週の土曜から柏の萬器さんで個展がはじまりました。
初日、2日目とお出かけいただきありがとうございました。
また、抽選やご購入数制限などへのご協力もありがとうございました。
初日の夕方で大きな花器が一つのみになり、
翌日その花器も旅立ち、少し早いですが今回の個展は終了となりました。
このような時期ではありますが、お出かけいただきありがとうございました。
週明けのご来店を予定くださっていた方には申し訳ありません。。




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私の制作姿勢としては個展においても1点ものばかりではなく、
定番のアイテムを繰り返し制作していく「中量生産」というのを独立以来続けてきました。
もう15年も前ですが、私と焼き物との出会いは大学の陶芸サークルでした。
サークルに入りたての大学1年生の頃、当時の4年生に女性の先輩(Nさん)がいたんですね。
その方は卒業後、有田の陶芸の学校に進みました。
ロクロの技術も出来上がるものもサークルのレベルではなく、とても上手かったです。
当時は私も型モノは全くやっておらず、ロクロ一辺倒でした。
とは言っても初めの頃は大きいものが挽けず湯呑みくらいのものを
ちゃんと中心をキープして挽くのがやっとでしたが...。
焼き物の基礎の多くはそのNさんに教わったもので、
ロクロに向かってほんの数手で飯碗や湯呑みをポンポン挽いていくのを見せていただきました。
ロクロで挽いたものは手板という長い板に並べて置いていくのですが
上手な方が挽いたものは寸法が揃っていて、横から見たときに高さや形が揃っています。
それを見たときに学部では普通の大学生なのに職人のようでかっこいいなぁと憧れたものです。
当然焼き上がったものも、焼けや絵付けによる個体差はありますが
それでもパッと見た時の印象は均質で、でも選ぶ楽しさはあって。
この「ひとり窯元」みたいな感じがいいなって思ったんです。
その時の経験がいまの制作に影響していると思います。
その後、大学6年生ごろアンティークのお皿との出会いや、
美濃焼の陶磁器メーカー勤務の陶芸サークルのOBの方から
型モノのことについて教えていただき興味を持つのですがそれはまたの機会に。。
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私個人としては個人作家でもあり、ちいさな陶磁器メーカーの面も持っています。
メーカー的な仕事はアシスタントたちと分業で進めています。
個人作家の作るものを薄めることなく、
質を維持し価格とのバランスも考えた中量生産というのが
笠間での私たちの役割なのかなと思っています。
そのNさんですが、有田の学校に行ったあと、焼き物の道には進みませんでした。
もう10年くらいお会いしていませんが、お元気だといいなと思います。
サークルではみんなのお母さん的(?)なポジションでした。
私の焼き物の師匠のひとりですね。
大学時代の写真、探してみるも出てこず。。
パッと見つかったのはこれだけで、何度も焚いた灯油窯。
いまも動いているかな?
