abe pottery studio nooc

2022/11/05 10:25


先日夜中までの窯焚きを終え、帰宅しようと車に乗ったら温度計は6℃。
秋の深まり(冬の始まり?)を感じます。
もう11月、年末の気配も漂ってきたような気もします。。


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11/5からの蔵前にあるdeps.さんでの個展のおしらせです。
今回は絵付けの作品はなく、シンプルな器類と
昨年から取り組んでいる個人制作物での個展になります。




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ちょうど1年くらい前だったか、deps.さんよりお電話をいただき、
「来年の個展ではすこし趣向の違ったものをやりましょう」ということになりました。
ちょうどその頃、私自身もすこし閉塞感といいますか...、
次の10年に向けてどうしていこうかと考えていました。

今年は独立して10年目になる年です。
10年かけて、現在のチームでの仕事の仕方はだいぶ確立できたのではないかと思いますが、
一方で食器以外のものや、より自由な作り方にも興味が出てきました。
食器では衛生的な面や強度も最低限は必要なので、なかなか取り入れるのが難しいテクスチャーであったり、
食器という枠組みを外すと形や大きさの面でもより自由な造形があると思います。

とはいえ19歳から食器しか作ったことがない人間なので、いきなり用途のないオブジェ作品に転向は難しく...
まだまだ手探りではありますが、かねてより興味のあった陶板作品や植木鉢など、
インテリアとしての陶磁器というのを目指していこうと思っています。

暮らしのなかで広い意味での陶磁器はテーブル上以外でもいろいろなところで使われています。
タイル、瓦、照明、水回りの衛生陶器などなど、私が知らないだけで他にももっとあると思います。
それだけ身近かつ、自由に形を変えられる素材だということだと思います。


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今回の個展では、花器や陶板、植木鉢を中心に制作しました。
食器も定番のものを一通り揃える予定です。






いつもと違ったラインナップに戸惑われるかもしれませんが、
新しい作品群としてご高覧いただけますと幸いです。

制作していくなかで、ひとつ新しい技法にたどりつきました。
泥と釉薬の中間の性質を持つ「溶化化粧」を掛けて焼きあげた生地に粘土の乾粉を摺り込み、
焼き上がりを想像しながらぬぐい落として模様やムラを入れました。
乾式の状態で作るスリップウエア(イギリスで盛んに作られていた、泥を掛けてそれが乾かぬうちに加飾する技法)のような。
泥(粘土)の色がベースになっていて、器胎も紐作りで作ったこともあり
すこしプリミティブな雰囲気です。足元にある別の色の粘土で彩色した土器みたいな。。













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