2023/09/24 21:31
夏の気配がすこしずつ薄くなってきて
窯詰めや窯出しがし易くなったり、器の乾燥具合が変わったり
仕事のなかでも季節の変化を感じます。
日が暮れるのもずいぶん早くなり、そろそろ長袖の出番ですかね。
最近は9月の展示も落ち着き、制作の日々です。
来月はいつにも増して展示が続くので、8,9月はしっかり制作に充てました。
とはいえ、これ以上作る量を増やすのはもう難しく(人手的にも、私のキャパ的にも)
ひとつひとつの成功率を上げるよう気をつけて制作しています。
+ + + + +
ウチでB品になってしまう一番の原因はピンホール(針穴状のちいさな釉薬の抜け)です。
いろいろなことを試しましたが、正直コレはコントロールするのが難しいです。
焼成はもちろん、釉薬をかける前段階の処理、窯詰め時の処理...色々試しました。
8寸以上の表面積の大きなお皿が特に難しく、10枚作っても取れるのはせいぜい半分。
半分ならまだ良いほうかもです。
陶磁器メーカーで働いていた方にも対策を相談したことがあり、
ピンホールが出にくい釉薬はあるが、それでもやはりピンホールは出てしまうとのこと。
(おそらくウチのグレーやペールグレーの釉薬は出やすいタイプ。)
+ + + + +
ただ、コントロールできるものもあります。
作りの段階で柔らかい素地に無理な力をかけないとか
ロクロの挽き方、釉薬の掛け方...
作りに関してはホントに挙げきれないくらいあります。
作りの段階というよりは環境的なことでは
窯の棚板のコンディションを綺麗な状態に保っておくとか
窯詰めや窯出しでの人為的なミスを減らすなど
細かいけど、対策すれば確実に効果が出ることもあります。
打席にたくさん立つというよりは打率を上げる方法にこの夏シフトしました。
夏が終わり、すこしずつ効果が出てきているように思います。
がむしゃらに作るよりもスマートで、あまりB品も出ないため
確実に積み上げていける感じがして精神衛生上も良い気がします。
(いっぱい作っていっぱいB品が出るのは空回りしている感覚です。。)
なんで今まで気づかなかったんだろう...と後悔もありますが
逆にいま気づけてよかった、と捉えたいですね。。
そんなちいさなブレイクスルーのあった夏でした。
