2024/08/09 11:51
工房への来客の際も「暑いですね〜」が最初の会話。
笠間も連日35℃超えの暑さで、
大きなガス窯を焚くと窯場の温度は50℃を超え表示エラーに、
ドア一枚で隣接する主にロクロやタタラ成形(お皿作り)をする部屋は
200Vのエアコンを18℃設定にしても窯からの熱気に負けてしまい、ほんのり暑い。。
そんな窯場で作業しなくてはいけないタイミングも当然あるのですが
とにかく省エネモードで動くしかありません。
体より頭を動かし、無駄なことはせず最短時間で。
窯場にはスポットクーラーを設置していますが、それでもちょっとしたサウナのよう。
ダイエットにも効果的なのかすこし体重も減りました。
+ + + + +
久しぶりに笠間の秋のイベントに出店するので、先日その説明会がありました。
笠間には200軒ほどの同業者がいると言われていますが
私の場合は普段同業者と顔を合わせることはあまりありません。
材料屋なんかでバッタリ会った時に立ち話をするくらいですかね。
その説明会には100人以上の陶芸家が集まっていたわけです。
久しぶりにたくさんの同業者が集まる場に行ってみると
知らないお名前もたくさん並んでいて(先方もこちらを知らないと思いますが...)
いつの間にか自分よりも若手世代もたくさん出てきていて...。
独立して11年も経てばそりゃ当たり前だよ、なのですが
色々と変わっていて、世代交代もあったりで時の流れを感じたのでした。
笠間では作家主体となってイベントを開催するケースがよくあります。
みなさん自分の制作の合間を縫ってイベントの準備もやっていて頭が下がります。
準備をしていると前職の経験やスキルを発揮してそれぞれが適材適所といいますか、
焼き物屋になる前の顔がちらっと見えるのです。
デザイン関係から来た方はやっぱり多いし、
販売業やメディア関係、写真、介護、造園、公務員、他...
パッと思い浮かんだだけでも色々な業種の方が笠間に縁あって集まって、
前職での経験も発揮して一つのイベントを運営しています。
私自身は前職と呼べるほどのものは残念ながらないのですが...。
+ + + + +
子供の頃から陶芸家になりたくて...という方はかなり稀なケースだと思います。
みんなある程度大きくなってから人生の途中どこかで焼き物と出会って
えいっと飛び込んできちゃうんじゃないでしょうか。
私の場合は陶芸家を目指そう(というか普通に就職ってのは無理...?)
と思ったのは大学6年生か7年生くらいの頃でした。
中学生以降は特になりたいものはなかったので
とりあえず大学を卒業したら東京で働き始めるのかなと、他人事のように思っていました。
流れ流れてここにいるのか、自分で選んだのか、人生分からないです。
ちなみに小学生の頃は刑事になって警視庁(〇〇県警とかではなく...!)で働くのが夢でした。
当時は古畑任三郎や踊る大捜査線の青島刑事など、型破りな刑事が大活躍していましたからね。
私自身はそもそも型破りでも正義感に溢れたタイプでもありませんが。。
+ + + + +
笠間は他所からの移住者も多い街です。
焼き物の業界にいると一層感じます。
個性的な方も多く、田舎ではありますがそこまで閉鎖的ではなく
いい意味で「気にしない」。
焼き物自体の話で言えば家賃は安いし、あまり選ばなければ土地も安い・広いです。
都内での仕事の多い方はこれ以上ない地の利があります。
朝搬入の準備をして午後イチで都内で搬入、とかもできちゃいます。
周りに同業者も多いので、技術的なことから業界のゴシップまで幅広い情報も入ってきます。
一人でやってても一人じゃないんだ、というのを駆け出しの頃は特に感じました。
どうしてこんな話になったのか。。
先日、昔のアルバイトスタッフが久しぶりに工房を訪ねてくれました。
今は別の土地の(わかりやすくいうと)工芸家エリート養成校で切磋琢磨しつつ、
駆け出しの陶芸家をやっています。
養成校には所属年数に制限があり、来春には出なくてはいけません。
春からどこで制作をしていくのか考えているようです。
焼き物自体はどこにいてもできると思います。
私自身は笠間がなんだかんだいいなと思っているので
根を張っていこうと決めました。
ここ数日の間に笠間のいろんな人に会い、改めて面白い人と土地だなぁと思い
微力ながら一緒に盛り上げられたらと改めて小さく思ったのでした。
書いていて思い出したのですが。。
数年前に笠間に住む人にスポットを当てたウェブマガジンに取材していただきました。
(たまたまですが上記の元スタッフも取材してもらっているんですよー)
今更ながらシェアさせていただきます。
少しでも笠間に興味を持ってくださると嬉しいです。
笠間オルタナティブマガジン
