2025/01/10 20:30
遅ればせながらあけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくおねがいいたします。
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昨年は新しい工房がついに完成。
引き渡しから1ヶ月ほど経ち、だいぶ慣れてきました。
まだすこし残工事もあったり、
今度は旧工房の窯場リフォームだったり、完全なカタチになるまでもうしばらくかかりそうです。

作業効率も良くなり、何より自分だけの制作スペースができたというのも嬉しい点です。
集中の必要な難しい工程や繊細な作業はできれば一人でやりたかったので。
これまで以上に細かなものにも取り組みたいと思っています。

あとはやはり新工房は暖かいです。
旧工房は断熱材がほぼゼロの古い物件のためとても寒いです。
新工房では予算の関係もあり最上級の断熱材ではなく、
下から2番目くらいのグレードのものを使用してもらったのですが
それでも暖かさに感動しています。。

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年末には大掃除を兼ねて新工房でささやかなお疲れさま会を開きました。
建屋もふたつになり、掃除やゴミを集めてくるだけでも大変なのですが
日勤のパートさんや夜間のアルバイトも多数参加してくれ、一気に終わらせることができました。
スタッフ全員が揃うことは未だなく、名前は知りつつも初対面というスタッフ同士もいます。
本格的にスタッフが出入りし始めた頃(2016年ごろ)は皆同じ時間帯で勤務していましたが
現在はスタッフの属性も色々になってきて、勤務時間や曜日もバラバラです。
私自身は朝9時から夜中1〜2時まで、というのがルーティンです。
基本的には起きて寝る直前まで、
外での用事のない時間の大半は工房にいます。
スタッフ全員と会っているのは私だけだったりします。
(※他のスタッフの勤務時間は4〜7.25h/日です 笑)
もちろん一日中全力疾走しているわけではありません。
押さえるべきポイントは押さえているつもりですが。。
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同じ仕事をやってもらっても10人いれば10通りの仕上がりがあります。
それが各々の個性やクセというものなのですが、
それで片付けてしまってはモノづくりにおいては質がバラバラになってしまいます。
ある程度均質には仕上げたいので、その10通りある個性やクセをうまく編集するのが自分の役割でもあります。
「ちいさな陶磁器メーカー」というのが自分の目指すカタチです。
「窯元」と呼称しないのは、なんだか古臭いような気もするし(※個人の感想です。)
手仕事のものと工業製品の二極があるとすれば
その中点から一歩だけ工業製品のほうに近づきたいなという意思。
でも外注はせずにあくまでも自分の手と目の届く範囲でのみやる、というのが大前提です。
なので規模を大きくしたいというのは特にありません。
ある程度均質に、と前段で書きましたが
工業製品ほどの均質さは求めていませんが、
並べて使った時に違和感のない程度の個性は欲しいなという感覚です。
そのあたりのバランス感覚が生き残っていくための道でもあると思っています。
今年も質の向上はもちろん、新たな仕事にも取り組み、
ちいさな陶磁器メーカーだからこそできることを探っていきたいと思います。
個人では手が足りず現実的な価格や数量ができなかったり
大きな組織では採算や業務標準化のためにできないような加工や工程もあるはず。
ちいさい、というのは武器になることもあると思っています。


最近取り組んでいるキュノワールの器たち。
昨夏からテストしていた地元産の笠間長石を使った黒釉です。
目指したのは「働き者の器」。
また改めてご紹介しますね。