2025/09/08 10:56
阿佐ヶ谷のzakka土の記憶さんでの個展がはじまりました。
2017年が最初で、以降2年おきに開催していて今回で5回目。
2017年のDMでは最初の絵付け作品が登場しています。
勿忘草の絵付けを施したお皿で、今の作風の源流とも言えるものでした。
勿忘草を選んだ理由は、ヨーロッパ食器ではとてもメジャーなモチーフで
ずっと目にしていたから、というのが一番の理由でした。
青い小花柄が舞うように描かれたお皿への憧れがありました。

絵付けの器が登場する前はレリーフの器をメインに作っていました。
レリーフ装飾は凹凸での表現で、それが釉薬の濃淡にもなりお皿にぼんやりと紋様を映します。
ただ、レリーフでは花や果実の色を表現することはできません。
あるとき檸檬のレリーフというのを試作していたとき、
私の技術では檸檬の果実が遠目だと葉っぱと区別がつかなかったんですね。
それがきっかけにもなり、絵付けで表現してみたらどうかと思い立ったのでした。
初期の勿忘草は現在のものと使う絵具も描き方も全く違うのですが、
絵の量は少ないのにとても時間がかかり、結構苦戦しながら制作していました。
結局50〜60点しか作れなかったんじゃないかなぁと思います。
そんなとき、東京の上絵付けの教室に通う機会があり、
そこで基本の手解きを受け、一気に技術革新(!)が起こったのでした。
その後、檸檬やオリーブへと絵柄は変わっていき、勿忘草は描いていなかったのですが
今年復刻し、もう一度新たな定番として作っていくことにしました。
当時のものと比べると随分変わりましたが、
現在の私の好み(器の全面に描きたい)だったり
釉薬掛け分けの技術など、当時はなかったものが付加され生まれ変わりました。

どことなくアジアの雰囲気も感じるような感じもして、
それはここ数年、台湾や中国へ出かける機会が続いた影響か...
これに影響を受けた、というのはハッキリしないのですが
いま一番作ってて楽しい器です。

個展|zakka土の記憶
2025.9.6(土)-14(日)
11:00-18:00