2026/06/08 22:51
北千住のうつわ萬器さんでの個展がはじまりました。
初日は在店させていただきました。
おでかけくださりありがとうございました。
今回の個展ビジュアルでは新作の熱帯虎文の皿を使っていただきました。
ご覧になった方はまさかの虎に驚かれたのではないかと思います。
何か新作を作ってみませんかと萬器店主さんからご提案いただいたのがきっかけでした。

元々はずっと憧れていた黒地の器が作りたいというところから出発しています。
黒に合わせるなら黄色〜オレンジ系統の絵がいいと思ったのと、
これまで描いてこなかった熱帯の植物はどうか...など試行錯誤しているうちに
「熱帯雨林の夜」や「百虎文(ひゃっこもん)」をテーマに、
モンステラやカエンカズラ、スマトラ虎を器のなかで合わせて思うままに作った新作です。
これまでよりもエキゾチックで、台湾、中国やインドネシアなどアジアの雰囲気もあるような。
昨今中華圏での仕事が増えた影響もあるかもしれません。

すこし前に静岡に向かう途中で立ち寄った熱海のMOA美術館で
野々村仁清の藤文の壺を初めて拝見しました。
展示ではその壺の周り360°を見ることができ、どの角度から見ても器形に対し藤文の構図が破綻していないのです。
誠におこがましいのですがそれをヒントに、今回の熱帯虎文も360°どこから見ても必ず虎が見えるようバランスも考慮し配置しました。
手のひらのなか、テーブル上やインテリアとしていろんな角度から楽しんでいただけると幸いです。
好き嫌いは分かれそうですが初日は好きな方が多かったようで、
熱帯虎文のシリーズを選んでくださる方が多かったです。
全く新しいものをお披露目するのはやはり緊張するものです。
手探りで進めるなかで微調整し、すこしずつ輪郭がはっきりしてきます。
作っていてこんなにドキドキする感覚は久しぶりでした。

お客さまや萬器店主さんに「いいね」と言っていただけたとき、
作り手として自信に変わったり、「もっとやれ」と背中を押してもらったような気になり
次作りたいものもムクムクと湧いてきました。
近年は毎年ひとつ新しい定番柄を作るようにしていて
一昨年は檸檬リバティ、昨年は復刻した勿忘草、
そして今年の新作は虎。
どこでお披露目するか...虎の姿と重なったのは萬器店主さんの顔。
なんの脈略もないところから湧いてきたものではなく、
全てのことが繋がって生まれたような気がしています。

