abe pottery studio nooc

2024/10/17 21:42


西麻布の桃居さんでの個展が終わりました。
おでかけくださり、またオンラインでお求めいただきありがとうございました。


桃居さんでの個展はまた2年後に予定しています。
試行錯誤はしているものの消化し切れていないものもあり...(私的にはいまは試行錯誤期)
2年かけて自家薬籠中のものとしたいと思います。





桃居さんでの個展にはいつも作家からのコメントが添えられています。
HPで過去のものも読めるようです。
作家さんごとに個展に寄せる想いだったり、
取り止めのない話(?)だったり、1-2行のシンプルなものなど。
私は今回は2016年の冬から使っている工房のことについて綴りました。


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現在使用している工房は地元では「出世工房」と呼ばれていた物件です。
私がおそらく4代目の入居者です。
私の前にこの工房を使っていた先輩作家さん(3代目)が引っ越すことになり、
入居しないかと話が巡ってきたわけです。
3代目も当時キャリア数年で活躍されていて、現在も活躍中です。


工房の窯場には初代が購入し設置した0.8立米のガス窯が鎮座しています。
私の見立てでは、このサイズの窯を個人作家が扱うのは難しいように思いました。
シンプルな器ならまだしも、加飾のある器で窯を埋めて月に何回焚けるだろうか...。
窯元や製陶所だったら普通〜やや小さく感じる程度のサイズでしょうが、
2ヶ月に1回くらい焚くのが精一杯かもしれません。
それだけ大きな窯で、もし最後の工程の窯焚きでしくじったら...と思うと恐ろしいです。


2016年当時は陶芸の学校を出て独立し、3.4年経ったころ。
なんとなく仕事が軌道に乗りはじめてきたタイミングでもありました。
それと同時に、私に向いているのは「個人作家」ではないような気もしていたのでした。

※その辺りのことはコチラに。


そんな折、出会った大きなガス窯を備えた出世工房は
ちいさな陶磁器メーカーのようなカタチを目指そうと決めた私にピッタリなのではないかと思い、入居を決めたのでした。


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そして今年、出世工房の隣に新工房を建てはじめました。
自分の工房を建てる、というのは30代での目標のひとつでもありました。
一度計画するも断念し、昨年リスタートし実現に漕ぎ着けました。


新工房の進捗はちょこちょこインスタグラムに載せているのですが
いよいよ内装の工事がはじまり、全体の雰囲気も見えてきました。
壁の色や素材、照明やスイッチ類、水回り、造作家具などなど
内装もたくさんの選択肢のなかから決めることだらけです。





工房なのでここに住むわけではないのですが
とはいえ起きている時間のほとんどを過ごすことになるであろう場所。
現在も朝9時には出勤してきて、夜中1時くらいまではゴゾゴゾやっています。
出世工房はもともとは個人作家向けのサイズ感であり、
スタッフには不便をかけることばかりでした。
新工房が完成したら2棟体制になり、仕事も進めやすくなりそうです。





お休みの日の朝、誰もいない工房で
道具や作りかけの器たちが並んでいるのを見てハッとすることがあります。
美しさに、というのではなく、言葉にするのが難しい感覚です。

土をこねて、ロクロで挽いて、窯で焼いて、絵を描いて...
今日もここで淡々と作るのです。
環境音と作業音だけが聞こえる少し古ぼけた出世工房。
一番好きな時間です。














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